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第7話 蓮と同部屋でオッケーです

작가: 月歌
last update 최신 업데이트: 2025-11-18 06:00:00

アーサーが招待してくれた城は、規模こそ小さいが美しかった。

王家の血筋のみが彫ることを許される紋章。それが瑠璃色の石に刻まれ、白亜の城壁の中央にはめ込まれている。

馬車が城門の前に着くと、アーサーが先に降りて智也に手を差し出した。智也は慣れない男性の仕草に照れながらも、その手に自分の手を重ねて地面に降りる。

そして、改めて城を見上げた。

――これは圧巻。

「わぁ、すごく綺麗な城!」

智也が素直に褒めると、アーサーの妹メアリーは気を良くしたのか、えへんと咳払いをしてこの城の経緯を語り始めた。

「この城は、まだお父様がお元気だった頃、王宮にお住まいだったお母様の為に別邸として建てられたものなの」

「別邸として」

智也がそう応じると、メアリーはさらに言葉を続ける。

「お母様は王宮での生活に慣れなくて、よく体調を崩されていたわ。それを気にされたお父様が、この国随一の城作りの一族に『母上の心が休まる城を』と命じられたの。そうして静養の地に、この白亜の城ができたのよ」

智也が城を見上げていると、蓮がメアリーに話しかける。

「メアリー様、先ほどはお城を小さいと貶していらしたのに、実はお気に入りなのでは? 実際、とてもよくできた城だと俺は思います」

蓮の言葉にメアリーは顔をぽっと赤くして口を開いた。

「確かに気に入っています。でも、やっぱり王家を継ぐかもしれないお兄様には、もっと大きくて立派な城に住んで欲しいんです」

メアリーの言葉にアーサーが気のない返事をする。

「王家なんて継がない。跡取りならカインがいるだろう」

「でも、もしもカインが死ぬようなことがあれば、残る男子は一人。お兄様だけでしょう!」

メアリーの言葉に、急にアーサーの顔が険しくなる。

静かに、「滅多なことを言うものではない」と妹を嗜めた。

怒られたメアリーは急にしゅんとなってしまったが、それを慰めたのが智也の妹のモモだった。智也の背から彼女の背にひょいと飛び移ると、頭を撫でて口を開く。

「メアリーはいい子。いい子。アーサーの事が好きなだけなのにゃ。怒られて悲しい」

「きゃあ、こら。くすぐったい! なんなのあなた、猫? 獣人? 訳わかんない!」

「猫耳モモです~」

メアリーはモモを背中に背負ったまま、じたばたしていたが、その内に何故か意気投合して、モモを自分専用の召使にしたいと言い出した。

――完全にペット扱いだな。

メアリーは自分の部屋にモモを連れて行きたいと、アーサーに許可を求めている。

――許可を貰いたいなら、アーサーではなく兄の私に聞けよ。

そう思っていると、アーサーが察したのか智也に向かって口を開いた。

「妹はモモが気に入ったらしい。あいつは一度言い出すと何を言っても聞かない。トモヤはモモの姉なのだろう? メアリーの部屋に妹を連れて行ってかまわないか?」

――姉ではなく兄なのだが……まあ、そんな事にこだわっていても仕方ない。

メアリーが悪い子でないことも段々分かってきた。

「別にいいよ。モモ、お行儀よくするんだよ?」

「にゃーす!」

――だから何その返事……。

「では、用意する部屋は二つでいいな」

「あ、別に部屋は一つでいい。私と蓮は一緒の部屋でいいから」

智也が何気なしにそう言うと、アーサーは急に不機嫌そうになって、じろじろと智也と蓮を見た。

蓮はにやっと笑って智也の肩を抱き寄せる。

そのせいで完全にアーサーに誤解されてしまった。アーサーは不機嫌そうに口を開く。

「魔法使いは女と交わると力が落ちる。その為、そばに女を寄せつけない者も多い。お前は違うようだな、レン」

「そうなのか? ふ~ん。まあ、いいや」

蓮は肩をすくめ、にやりと笑った。

「アーサーは誤解しているが、智也は処女だ。まだ誰のものでもない」

「なっ!?」

――蓮に処女宣言されるとは。腹立つ。

「それに、俺にも選ぶ権利はある。どちらかというと、メアリーの方が興味があるな。金髪碧眼に一度は憧れるのは日本男児の健全なる証だ」

――勝手にほざいてろ、蓮。

「トモヤは処女なのか?」

何故かアーサーの目がぎらぎらとして、智也の胸や下半身を見てきた。

蓮がさらに余計なことを言う。

「ああ、そうだ。ただし、山賊にやられていたら、もう処女じゃないけどね」

「安心しろ。俺が寸前で切り捨てた。あの時、股からは血は出ていなかった。処女は守られているはずだ」

「……アーサー、あんた山賊殺しながら、どこ見てたんだよ!? 蓮もしょうもないこと言うなっての!」

智也は真っ赤になりながら、男たちの恥ずかしい会話にピリオドを打つ。

こうして、智也は蓮と一緒の部屋で過ごすことになった。

智也達の為に用意された部屋に入ると、そこはおとぎの国が広がっていた。

天蓋のベッドなんて初めて見たので、智也は興奮してしまう。

ベッドにぽふっと身を預け横になる。すると、ぎしっとベッドが軋んで、蓮が智也に馬乗りになってきた。

そして、胸を揉みこんでくる。

「ひぃあ! 何してるんだよ、蓮!」

「もう少し女らしい言葉使えよ、智也」

蓮は妙に真面目な顔で、智也の胸を揉んでいる。

「うーむ、C……いや、Dカップか。本当に女になったんだなぁ、智也」

――なんか、やばい感じ?

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